バイランド修道院 Byland Abbey
バイランド修道院は05年に訪れた時は、ミスティーなお天気の上、工事中でもあったので車窓見学で済ませた。
その印象から然程期待していなかったのだが、入場して驚いた。予想よりずっと大規模な修道院廃墟だ。
1135年に設立されて以後、4ケ所を変遷して1177年にこの地に落ち着いたという。その1ケ所はこの後訪れるリーヴォール修道院(Rievaulx Abbey)から1マイルの
オールド・バイランド(Old Byland)という村に建てられたのだが、リーヴォール修道院から鐘の音が重複するからタイムテーブルを変えるようとクレームが付き、
タイムテーブルを変える位ならと、こちらに移ったという嘘のような話だが、史実らしい。
その後14世紀後半にはファウンテインズ修道院、リーヴォール修道院と並び"Three Shining Lights of the North"と称されるまでに発展したのだ。
しかし、1538年に修道院解散で屋根が外され、土地も内部の金目の物もヘンリー8世に没収され、廃墟と化す訳だが、厳粛さが漂う廃墟具合が良い。
イングリッシュ・ヘリテージの受付嬢は極めて愛想が良い。日本人は珍しいのか盛んにウエルカムの姿勢を見せてくれる。
衝撃の西正面(West Fron)だ。姿が良い。3つのランセット窓の上は巨大なばら窓(Rose Window)の下半分の輪郭が残っている(写真上左)。
ヨーク・ミンスターのバラ窓のお手本となったという。左部分だけ残っている可愛い尖塔も微笑ましい。ゲートのアーチも重厚にして華麗だ(写真上右)。どこをとっても美しい。
そして、色が良い。この黄色みを帯びた明るい色合いが廃墟の哀愁を消している。
側廊の辺りから南北翼廊と身廊東面を見た写真が上左から2枚目。右から2枚目が逆に西正面と身廊北面窓の写真だ。
その他の部分の輪郭もしっかり残っているので、修道院の規模は見て取れる。西正面の他にもう一つ高い残骸は南翼廊の壁だ(写真下右)。
見学者も少なく、時が止まっているように静だ。周囲に大きな村はない。
深い緑に囲まれた荘厳な廃墟の所々にその昔修道院で薬草として使われであろうハーブの鉢植えが置かれているのが面白い。
Address | Byland, Coxwold, North Yorkshire YO61 4BD |
Telephone | 01347 868614 |
Web Site | Byland Abbey |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
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